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Art of Coaching 「人間理解への道」 2022年6月3日(金)180号
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コーチングをしていると、クライアントさんに深い気づきが起こる場面に出会うことがあります。
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そうかと思えば、堂々巡りになってしまったりすることもあります。
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堂々巡りになってしまうことがダメだというわけではありません。
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でもコーチも人間ですから、セッションをするならクライアントさんに深い気づきが起きてほしいという思いも湧いてきます。
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では実際に、クライアントさんにとって深い気づきが起こるセッションになるのは、いったいどういうときでしょうか?
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私の経験から言うと、コーチが上手くやりたいという手応えを求めずにセッションをしているときです。
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クライアントが深く気づいたり、あり方が根底から変わったりするようなセッションは、「うまくやろう」とか「深い気づきを起こさせよう」といった気持ちがコーチに「ない」ときに起こることが多いです。つまり、「何とかしよう」という気持ちがないときですね。
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「うまくやりたい」とか「何とかしたい」といったことを考えずに、只々、クライアントさんの話に耳を傾け、浮かんできた質問や感じたことを伝える。
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そんなときに、「結果的に」クライアントさんの中に深い気づきが自然と起きてくることが多かったように思います。
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どうしてもコーチは、セッションに手応えを求めてしまいがちです。
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この、「手応えを実感したい」という気持ちを(無くそうとするのではなく)脇に置いて、コーチングをしようとすると、最初の頃は「果たしてこれでいいのだろうか?」という不安も出てくるでしょう。
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ですが、真にクライアントさんにとって深い気づきが起きるときは、やはり、コーチが自分の手応えを手放しているときなんですね。
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「手っ取り早く手応えを実感したい」という気持ちを脇に置くというのは、言い換えると、「結果を手放して、クライアントさんとコーチ自身を信頼して関わる」ということではないでしょうか。
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セッションをする度に、改めて意識していこうと思います。
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発行:株式会社アート・オブ・コーチング 執筆:Art of Coaching 赤木 広紀
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