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Art of Coaching 「人間理解への道」 2022年7月15日(金)183号
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私はコーチングを学びはじめてから (気がつけば)23年が経ちました。 その間、さまざまなコーチからセッションを受けてきました。
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コーチがいなくても人生は進んでいきます。 ただ、コーチがいたお陰で大事な場面等で 「本当はどう思っているのか? どうしたいのか?」に気づかせてもらい その都度、選択してきたように思います。
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今回はその一つのクライアント体験談を書かせて頂きます。
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昨年のことです。 私の中で、頭の片隅にずっと 気になっていたことがありました。
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4年前に父が他界して、母は介護施設に入居しました。 けれども、実家には家具も家財も全て そっくり両親が住んでいた時のままにしていました。
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「片付けに行かなくては!」と思いながらも そのことを考えると億劫な気持ちになり 先延ばしにしていたのです。
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以下、セッションの一部です。 (コーチCo、クライアント長田Cl)
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Co: 「実家を思い出すとどんなイメージ? そこに何が見える?何が聞こえる?」
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(その問いかけから、目を閉じると 懐かしい風景が蘇ってきます。)
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Cl: 「茶の間に座ってテレビを見て笑っている父。 その横でお茶を入れている母。 猫の花子が『ニャー』と甘えて母にすり寄っている。」 (実家の様子がありありと思い出されました。)
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Cl: 「昨日のことのよう。ほっとした温かい感覚と安心感…」
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Co: 「侑子さんにとって、実家ってどんな存在?」 Cl: 「家族や自分の思い出がめちゃ詰まっている。 自分の原点にもなるありがたい存在」
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Co: 「今の実家をイメージするとどう?」 Cl: 「誰もいない部屋に 家族が使っていた家財や家具がただそこにある…」
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これはセッションの一部ですが コーチの問いかけで 過去と現在をイメージすることができました。
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そして、イメージする中で 大切にしていた何かが消えていくような淋しさを 感じているということに気がつきました。
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ただ、少しの間そこに留まっていると 同時にあたたかい感覚が 胸のあたりに広がってきました。
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心の中には確実に、 自分の原点でもある風景があり 両親のぬくもりを感じたのです。
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そう感じた時に、 これまでお世話になった実家に感謝をしつつ 残してあるものを片付けに行こうと思えたのでした。 (実際、その直後に片付けに行くことができたのです。)
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信頼のおけるコーチが寄り添ってくれている。 その存在自体が (言葉以上に)安心感を与えてくれて 自分の心の深くに向き合うことができる。
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そして、一歩踏み出す勇気を出させてくれる。 そんな体験をしたセッションでした。
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コーチは私にとって 人生の過去に未来に現在にスポットライトをあてて 「人生の質を豊かにしてくれる存在」でもあると感じています。
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そして、私自身もそんなコーチでいられるよう クライアントさんの人生の流れを感じながら 今ここからできることに焦点をあて クライアントさんの人生を応援していきたいと思ったのでした。
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発行:株式会社アート・オブ・コーチング 執筆:Art of Coaching 長田侑子
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