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Art of Coaching 「人間理解への道」 2022年8月26日(金)186号
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Art of Coaching の 真辺 詞緒梨 です。
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「もし今、 しなければいけないことが 何もなく してはいけないことも 何もないとしたら 何をしたいですか?」
数年前、 あるクライアントさん(Aさん ※)に こんな問いを投げかけたことがあります。
その方は当時 ある大手アパレル会社に勤めていたのですが
そこでは毎日、店の売上目標額が決まっていて その額をクリアするために タイムセールをしたり お客様へ販売促進の声かけをしたり 必死に戦略を立てなければならなかったそうなんです。
そして目標額に達すると インカムから 「ただ今目標額に達しました。 これから目標額を再設定します。 新しい目標額は、、、」 というリーダーからの指示が入るとのことでした。
「もう疲れてしまいました」 そう言って ぐったりされていました。
Aさんは 小学校時代から、
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に囲まれて生きてきた という自覚の強い方でした。
「生まれたての赤ちゃんのときに しなければならないことは何もなく
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中学に進んだら進んだで 立派な高校に入らなければならず
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高校に進んだら今度は 立派な大学に入らなければならず
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大学に進んだら今度は 立派な会社に就職しなければならず
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そんなことで頭がいっぱいになり 疲れきってしまったと言っていました。
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Aさんは自由です。 そうしたら何をしたいですか?
できるだけ制限を外して ありえないとかという心の声を忘れて 自由に解き放って考えてみてください」
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そう言って 時間をとりました。
時間がきたことを告げると Aさんの声のトーンが 変わっていました。
「どんなことを思いつきましたか?」
と尋ねると
Aさんは嬉しそうに 「やりたいことは 全然出てきませんでした」 と言いました。
「でも嬉しそうですね」 と声をかけると
「やりたいことはわからないけど やりたくないことはたくさん出てきました。
そしてまずやりたくないことは辞めようと シンプルに思いました。 住みたくないところに住むのを辞めようって 思ったんです」 と言っていました。
そして
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「福利厚生を考えると今すぐ会社はやめられないけれど 嫌なことは無理するのをやめようと思います。
住んでいるマンションは便利なんですが、便利なだけで 住みたくはないことに気がついたので 住みたい場所を探してみようと思います」
と声を弾ませていました。
それから数年経った今 Aさんは当時の会社を辞め アニマルトレーナーとして 活躍されています。 東京から地方に移住し 快適な生活を送っているそうです。
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「しなければいけないことが 何もなく してはいけないことも 何もないとしたら 何をしたいですか?」
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シンプルな問いは時としてパワフルで
その答えは 現実として 現れる可能性が生まれると 思ったのでした。
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最後までお読みくださり ありがとうございます。
今日も素敵な1日を お過ごしくださいね。
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